MAGLAM LORD/マグラムロード

あらすじ

不滅の上位存在たる神々と魔王たちが、世界の覇権を巡り果てなく戦い続ける世界――

そんな上位存在すらも問答無用で斬り裂き滅することのできる “刃の魔王”キルリザーク は、
“世界の敵ハーザデス”として、いずれの側からも激しく敵視されていた。

やがて、神魔の連合によって包囲された“刃の魔王”は、その首魁たる“至光神”グランギニオンの拳で
封印寸前にまで追いつめられてしまう。

が、忠臣“鉄くろがねの魔王”バルガッキーンの献身により、危地からの脱出を果たす。
ボロボロになった主従は追っ手の目を逃れ、なんとか隠れ家までたどり着いたものの、
復活するための永き眠りについてしまうのだった。

時は流れて―――

ようやく目覚めた“刃の魔王”は、自身の力がまるで回復していないことに愕然とする。
ならば、手近な魂を喰らいまくって、さっさと完全復活すべし!
意気揚々と“刃の魔王”は動き出す。

が―――扉の向こうに待っていたのは、にっこりと微笑む見慣れない服装の女性だった。

(公式HPより引用)

製品情報

作品名 MAGLAM LORD/マグラムロード
公式サイト 公式HP
発売日 2021年3月18日
ジャンル アクションRPG
対応機種 PS4/Switch
キャスト キルリザーク(木島隆一)
ダリス(中島ヨシキ)
モーヴ(石川界人)
アクラオ(野島健児)
サティウス(種﨑敦美)
ボイス 有り
主人公情報 キルリザーク 魔王主人公
個別イベント 有り
個別エンディング 有り
作品の傾向 相棒/バディ ライバル ロボット ヤンデレ
キャラ傾向 熱血勇者(ダリス)
ロボ可愛い(モーヴ)
ヤンデレ(アクラオ)
健気な従者(サティウス

感想

取り敢えず初回は悩みに悩んでダリスエンドとなりました。
正直感想としては、アクションRPGとしての質は低く、万人にオススメとは言えません。
フルプライスで購入して損をした!と感じる方も居るかもしれません。
ただこれだけは声を大にして言いたい。キャラ萌え、関係性萌えはがっつり出来た!!
不満点もありますがそれと同じかそれ以上に魅力もある作品で、大絶賛する事は出来ないけれど駄作と切り捨てる事はしたくない、というとても複雑な感情を持たせてくれる作品でした。
発売元がD3パブリッシャーなので、後々間違いなくセール価格で販売されると思うので、悩んでいる方はセール待ちしてもいいと思います。

良かった所

キャラクター

この作品の最大の魅力と言っても過言ではありません。
特定のキャラが良い!とかではなくパーティーメンバーの雰囲気やバランス感が素晴らしく良いです。
主人公との交流だけではなく、仲間同士での交流もきちんと描写されていて、コミカルで微笑ましいものからシリアスなものまであり、獣人幼女のジュレットと機械人形のモーヴのやりとりは悪魔的に可愛いですし、シャルムとアクラオのギスギス感はほんわかパーティーの良いスパイスになっていました。
キャラには明確な欠点や未熟さがあり、それをきちんと周囲のキャラが諫めてるのも好印象でした。
シナリオ上できちんと怒られたり反省してくれているので、キャラの行動でもやもやする事が一切なくストレスフリーで楽しむことができました。
特定のキャラがシナリオ上の都合で割を食う事もなく、男女関係なく長所と短所をきちんと描写した上で成長していくので、パーティーメンバー全員に愛着を持つことが出来ました。
機械(機界)のモーヴ、獣人(幻獣界)のジュレット、霊界っぽいアクラオと、サモンナイトを彷彿させるキャラやダンジョンがあったのも嬉しかったです。

主人公が魅力的

魔王という斬新な設定なので、共感できるのか皆目見当もつきませんでしたが、蓋を開けてみればカッコよさと可愛さを兼ねそろえた主人公でした。
人間は消耗品という価値観を持ちながらも、自分に好意的に接してくれた少女には優しく接する一面もあり、立場や種族に囚われることなく、自分の思うがままに行動していきます。
気に入ったモノは下僕(という名の仲間)として受け入れ、気にくわないものはぶった切る!という単純明快な行動パターンは見ていて清々しい程です。
主人公のセリフはあるものの、結構な頻度で選択肢が発生し、それによって優しい魔王・威厳のある魔王・過激派な魔王などなど、ある程度は自分好みに主人公の性格をカスタム出来るのも楽しかったです。
水族館の魚に夢中で自分の話を聞いてくれないモーヴに対して、「我を無視するな」と涙目になっちゃうクッソ可愛い一面もあり、皆に慕われるのも納得な魅力あふれる主人公でした。

ストーリー

全9章と同シナリオライターさんが手掛けたサモンナイトシリーズと比較すると短めな構成ですが、序盤から張られていた伏線が終盤で回収されたりと、短いながらも綺麗にまとまった内容となっていました。
各キャラに主役回がきちんと用意され、仲間になってからもそのキャラの特性を活かした活躍の場があり、誰一人空気化する事無くストーリーが進んでいくので、クリア後のキャラに対する愛着は半端ないものとなっていました。
魔王と勇者という相反する立場で、ぶつかり合いながらもお互いを認め合っていく魔王とダリスの関係性は、王道と言えば王道なんですが凄いエモかった…。多分ストーリーの中で一番成長したのはダリスだと思うので、終盤や個別エンドの彼の変化は感慨深いものがありました。
機械生命体のモーヴは欠点らしい欠点は無く、自分のマスターと認めた魔王にはとても忠実で、他の人に対しても常に紳士的。アイドルのジュレットが歌う小イベントでは、どこから知識を得たのかドルオタ顔負けの合いの手で盛り上げるなどノリの良い一面もあり、機械ならではの愛らしさが全面に出ているキャラでした。
モーヴとジュレットが絡むと大体可愛いので、この二人にはかなりの癒しパワーを頂きました。
アクラオさんは思っていたキャラ像と大分かけ離れていましたが、ヤンデレ好きとしては非常に美味しいキャラクターです。歪んでいるしかなり場をかき乱すキャラではありますが、ふとした瞬間に見せる憂いを帯びた表情と声にドキッとさせられました。魔王に対する執着心で言えばパーティー内でも群を抜いていて、いつも人を振り回すアクラオが魔王に振り回されている姿は非常に新鮮で意外性がgoodでした。

不満点

アクションRPGとしては微妙

難易度は低く、きちんとレベリングをして装備を整えれば詰まる事なくクリア出来るので、アクションが苦手な人には優しい作りとなっています。ただ、アクションRPGが好きでそれを楽しみたいという方には物足りなさしかないクオリティとなっています。
だらだら長く書くのもあれなので箇条書きで気になった点・不満点を挙げていきます。

  • ボタンコンフィグが無い:アイテム使用が〇ボタンで誤爆しやすいので変更したかった…。
  • 吹き飛ばしキャンセルが無い
    テイルズで言うところのリカバリングにあたるスキルが無いです。
    敵に吹き飛ばされると確定ダウンを取られ、そこからリンチされる場面も多々あったので地味につらい。
  • 戦闘モーションが全キャラ一緒
    武器ごとにモーションは変わりますが、操作キャラによって戦闘モーションが変わる事はなく全員一緒。
    戦闘bgmはキャラによって変わりますが、そこではなく戦闘モーションで個性を出して欲しかったです。
  • 戦闘時のカメラが近い
    横スクロールアクションですが、カメラが近いので視界の外から突進攻撃を受ける事があります。
    上述した吹き飛ばしキャンセルも出来ないので、画面外から敵が突進攻撃→吹き飛ばされダウン→ぼこぼこという展開になりがち。せめて敵キャラが画面外に行かないようなカメラワークにして欲しかったです。
  • ダンジョンBGMが無い
    森や近未来的な遺跡や城など、ダンジョン毎に特色があるのは良かったのですが、それだけにダンジョンの雰囲気に合った固有のBGMが欲しかったです。音楽のクオリティは非常によかったので、もう少しBGMを豊富に用意してくれたらなと思いました。
  • コンボ中に処理落ちする
    条件は不明ですが、コンボを繋げていると処理落ちしてカクつく事があります。
    ゲーム進行には影響ありませんが、爽快感を大幅に削ってしまっています。
  • クエストの仕様&マップセレクトが出来ない
    今作はクエストを受けないとダンジョンに入れない仕様なので、武器素材を集める為にはクエストをこなしていく必要があります。
    クエストは章が変わるごとに大量に追加されますが、クエストの舞台となるダンジョンは基本的には前の章で追加されたダンジョンです。クエストを受けてダンジョンに潜って素材を集めクリアし、また別のクエストで同じダンジョンに潜って素材を集め、の繰り返しなので同じダンジョンを何度も何度も往復する事になります。
    最初は気になりませんでしたが中盤あたりから、マップセレクトで自由にダンジョンに入らせてくれ!クエストをまとめて受注させてくれ!このダンジョンの間取りもう覚えちゃったよ!と思うように。
    素材収集系のクエストでは、素材を集めた時点でダンジョンから追い出されるので、じっくり腰を据えて素材を集めよう!と意気込んで入ったのに、敵が空気読まずに条件の素材をドロップ→追い出される、という悲しい事態に陥る事も。
    クエスト形式と素材収集要素が絶妙にかみ合ってない感じで、ここら辺はもう少しうまい事調整して欲しかったなーと感じてしまいました。
    個人的にはサモンナイトの町のマップが、町の雰囲気や世界観を感じられてとても好きだったので、マップ移動形式にしてくれたら最高だったのになあと思わずにはいられませんでした。

コンカツイベントが少ない

目玉商品の如く紹介されていたコンカツイベントですが、しっかり内容のあるイベントは各キャラ2つのみ。
これは少ない。イベントCGは各キャラ一枚ずつとこれまた控えめな枚数。
イベントCGに関してはともかく、コンカツイベントはもう少し数あっても罰は当たらないと思います。
数は少ないものの、どのキャラもイベントの内容自体はとても良かったので、せめて3つ4つ…5つくらいあればなぁ、勿体ないなあという心持ちです。
クエストでも各キャラとのイベントが発生するイベントがあり、それも個別イベントみたいなものなので、それぞれのキャラと魔王が触れ合う場面に物足りなさを感じませんでした。
でもやっぱり、キャラが良いだけにもっとコンカツ堪能したかったよ!というのが正直な感想です。

まとめ

不満点も沢山書いてしまいましたが、ここが良ければ躊躇いなくオススメ出来る一品になったのにっ!!という気持ちも含まれている不満なので、今作の良さを残したままクオリティアップした次回作が出ることを願っています。
今作のようなファンタジックな世界観のキャラゲーは最近少なくなっているので、新作を出してくれること自体が正直ありがたいです。
サモンナイトの名残を感じられて感慨深い気持ちになれたので、悩んでいる方はセール時でも良いのでどうかプレイして頂けたらと思います。