Caligura2

発売前は期待と不安が半々で、むしろ不安の方が強かったカリギュラ2を総プレイ時間60時間でクリア。
いやー…、めっちゃ面白かった!!!

魅力はあるけど同じくらい欠点もあった初代カリギュラでしたが、カリギュラ2は初代の欠点を丁寧に潰して、良かったところは更に伸ばすという、ユーザーとって理想的な成長を遂げています。これって当たり前の様にも思えて難しい事なので、正統進化した続編を生み出してくれた事が本当に喜ばしい。
といっても、ゲームシステムに関しては赤点が平均点に上がったレベルなので、大手メーカーレベルの作品と比べるとやはり見劣りします。それでも一時期はクソゲーメーカーと揶揄されていたフリューから、ゲーム性・シナリオ・キャラが良い!と思える作品が出るとは…。今までフリューゲーをジャケ買いして枕を濡らしていた身としては、非常に感慨深いです。

良い所

キャラクター

素晴らしいの一言。キャラ単体の魅力がどうのというより、パーティーの雰囲気が最高に良いです。
居心地が良すぎて後半あたりは、現実になんて帰らないでこのままリドゥで学園生活エンジョイしよ?リドゥイイトコタノシイヨ、と帰宅部の部長としてあるまじき事を考えながらプレイしていました。
いやもうね、帰宅部メンバーのあったかさを知ってしまったらね、中々抜け出せないんですよ。炬燵の中のように居心地がいいんですよ帰宅部ってやつは。

リドゥの設定上、それぞれ現実で問題を抱えているキャラばかりなのですが、長短あれど根は優しいんだなというのが、端々の描写で伝わってくるので、現実の姿を知って衝撃を受けても、それがどうした!ドンッ!!とむしろ愛が深まりました。
パーティーメンバー全員で仲良くしている描写が多く、架空の世界とはいえ学園生活をしっかりエンジョイしていて、なにげない日常のやり取りがコミカルでとにかく楽しい。
まさかダンジョン攻略中にコーヒーブレイクしてほのぼのし始めるとは思いませんでした。
部員が増えれば増える程、賑やかさが増し、それでいて空気になるキャラが居なかったのも好印象。
後半加入のキャラが序盤から登場したり、後半加入でも全く問題ないほどキャラパワーが強かったりと、上手い事馴染むようにフォローされています。
メインシナリオでは賑やかで楽しい帰宅部を満喫する一方で、キャラ個別イベントでは心の奥にずかずか踏み込む部長。
本編がコミカル寄りな分、個別イベントのシリアスさがより一層際立つので、さっきまであんなに楽しそうにはしゃいでらした先輩が…!と自分で踏み込んでおいて衝撃を受ける事も。
キャライベントをコンプリートした後だと戦闘会話も変化し、部員から信頼されている部長の気分を味わえるのも嬉しいポイント。帰宅部全員が仲良しな分、部長だけしか知らない一面がある、というのは特別感があって良いもんだなと思いました。
ダンジョン攻略中に発生するチャットトークの出来も非常に良かったです。線路を歩いてウキウキするリュート君や、ささら先輩と鐘太先輩のオモシロトークなど、後々から見返したい会話が山ほどありました。
キャラごとの感想はネタバレ抜きで語るのは難しいので割愛しますが、リュート君の最後のキャライベの破壊力がヤバイという事だけはお知らせしておきます。

戦闘・育成システム

万人受けするかは分からないですが、今作の戦闘システムは非常にやり易いです。ビギナーでも簡単にコンボがキメられますし、コマンド形式なのでじっくりシンキングタイムを設けられるのが何より有難いです。カウンターで敵を浮かせ、タイミングを微調整しながら敵を空中に留めてと、あれこれ考えた末に空中コンボで敵をハメた時の快感は、中々他では味わう事が出来ません。
武器やアクセサリーを装備したまま戦う事で、装備のスキルを習得してパッシブスキルとして付け替え出来るようになったりと、前作には無かった育成要素も追加され、レベル上げ以外の育成要素があるのも嬉しいポイント。
雑魚戦と比べるとボス戦の難易度は高めで、難易度ノーマルできちんとレベリングして挑んだのに、二章のボスにぼっこぼこにされてイージーにしようかな…、と日和ってしまうレベル。
ただ必殺技や便利機能を惜しみなく使ってしまえば、驚くほどあっさり撃破出来たりするので、ケチらなければ難易度ノーマルでも詰むことは無いと思います。

改善されたダンジョンマップ

前作のダンジョンは同じような景色が延々続くコピペを駆使したようなマップで、ギミックも無くひたすら単調で長く退屈に感じてしまいましたが、今作ではギミックも追加され、構造もシチュエーションに合ったものになっていて、スタッフの改善してやるぞという気概をかなり感じました。
マップの広さもかなりコンパクトになったので探索しやすいですし、敵の数も殺意満々だったVita版での数の暴力を経験した身としては、こんなに少なくて大丈夫?やる気ある?と心配になる程でしたが、カリギュラ脳で感覚がマヒしてるだけで程よいバランスで配置されています。

不満点

戦闘のテンポが悪い

戦闘システム自体に不満はありませんが、戦闘のテンポの悪さだけはアプデで改善して欲しいです。
行動ゲージの進むスピードが遅く、そのせいか敵味方共にダウンタイムに入ってしまい、両者共に何も行動出来ない無の時間が発生する事がちょいちょいあります。4人パーティーを組めるようになると大分マシにはなりますが、せめて今の1.5倍くらいは行動ゲージの進むスピード早くして貰いたいところ。

グラフィック

髪の質感など前作に比べると良くなっては居ると思いますが、それでもやはりがっかりクオリティなグラフィック…。
美麗な立ち絵と比較すると別人レベルのキャラも居るので、せめてもう少し可愛らしくカッコよく仕上げて欲しかったです。
特に主人公はひどい。似てる似てないとかの問題ではなく、常に真顔なんです。表情筋一切使ってません。悲しい時はちょっと悲しそう…?と変化している気もしますが、私の願望がそう見せてるだけなのかもしれません。間違い探しに出来るレベルで変化がありません。喋らない主人公だからこそ、喜怒哀楽は表情でしか表現できない訳で、そこの手間を惜しんでほしくはなかったなと思わずにいられません。

まとめ

長くなりましたがカリギュラ2、非常に面白かったです。
萌えというよりは、仲良し帰宅部の一員となって学園生活をエンジョイ出来た喜びの方が強いですが、魅力的なキャラに囲まれ慕われる部長を疑似体験出来て本当に楽しかったです。
同じ世界観で続編、というのはもう難しいと思いますが、空中コンボが出来る戦闘システムはマジで楽しいので、戦闘システムを引き継いだなにかしらが出ないかな…、と淡い期待を抱いています。
前作との繋がりはあるものの、未プレイでも問題なくプレイ出来ると思いますが、予習したい方はアニメを見るのが手っとりばやいと思うので、興味のある方はぜひ。
最近はめっきり減った、昔懐かしいキャラゲーRPGを楽しみたい方にオススメの作品です。