龍の国 ルーンファクトリー

Version 1.0.0

あらすじ

――東の国を突如襲った厄災「龍星崩落」
大地の崩壊によりルーン(活力)は途絶え、自然を司る神たちの消失により山野は枯れ、人々は滅びの時を待つばかりとなっていた。
そんな折、一人の若者が竜と契約を交わし共に旅立つ。
「古の理に則り、――大地の舞手の力を授けよう。その力持て神々を千早振り、この国を救うがいい」
かくして、若者の神々を探す長い旅が始まった――

(公式サイトより引用)

製品情報

作品名 龍の国 ルーンファクトリー
公式サイト 公式サイト
発売日 2025年6月5日
ジャンル ファンタジー生活ゲーム
対応機種 Switch
キャスト スバル(榎木淳弥)
ムラサメ(古川慎)
マウロ(梶裕貴)
クラマ(三木眞一郎)
フブキ(斉藤壮馬)
カイ(諏訪部順一)
イカルガ(小林裕介)
ツイラン(河西健吾)
ボイス 有り
主人公情報 スバル(名前変更可) 真面目系主人公
個別イベント 有り
個別エンディング 無し
作品の傾向 ゲームで農業体験 後味の良いストーリー 豊富なイベント
個性的なキャラクター 同性婚
キャラ傾向 硬派な武士(ムラサメ)
とにかく明るい冒険家(マウロ)
面倒見のいい引きこもり(クラマ)
わんこ系男子(フブキ)
豪快な兄貴分(カイ)
ツンデレ陰陽師(イカルガ)
無口なカラクリ師(ツイラン)

感想

メインストーリーをクリアした時点でプレイ時間は60時間ほど。
やり込み要素はそこそこにメインシナリオを最優先に進めてこのボリュームなので、すべてを遊びつくしたら100時間は余裕で超えるでしょう。
結婚後に追加ストーリーが発生するらしく、今は初婚相手を誰にするかで絶賛悩み中…。
ということで、いったん気持ちを落ち着けるためにも、プレイ感想など語っていこうかなと思います。

まずは一言――めちゃくちゃ面白かった!!!!!!

正直なところ、『牧場物語オリーブタウン』や『ルーンファクトリー5』をプレイしていた頃は、「このシリーズもいよいよ終わってしまうのか……」と思ったりもしました。
過去作が好きだからこそ近年の迷走っぷりが切なく、龍の国が発表された時も不安と喜びが半々といった感じでした。
でも本作をプレイしてそんな不安は全部ふっ飛びました!

外伝作品ということもあり、農業や育成のシステムも一新されていて戸惑う部分もありましたが、ルーンファクトリーらしさはちゃんと生きておりました。
ここまでしっかりとシリーズの魂を受け継ぎつつ、新しい挑戦を形にしてくれたことに心から拍手を送りたいです。
なんというか「よくぞ持ち直してくれた……!」という気持ちで胸がいっぱいです。

良かった所

仲間との絆を感じられるストーリー

ストーリー展開は王道そのものって感じですが、そこに登場キャラクターたちの魅力がしっかりと加わることで、とても豊かで温かみのある物語に仕上がっています。
メインキャラはもちろん、サブキャラもしっかり物語に関わってくる構成になっていたのも嬉しいポイント。
シビアな世界観ながらもルーンファクトリーシリーズ特有の人の温かさも味わえる、まさにこういうので良いんだよと唸りたくなるシナリオでした。
主人公のスバルも礼儀正しい好青年で、大人っぽいところもあれば子供のように無邪気な面もあり、癖のない主人公らしい主人公で非常に好感が持てました。
しかもメインストーリーに関してはおそらく全編フルボイス?と思うくらい、ずっと皆喋ってます。
ボイス量の多さも相まって、終始にぎやかでとにかく楽しかったです。
メインストーリー以外にも各キャラに絆イベントという名の個別イベントが用意されていて、これがまあ素晴らしいのなんの‼

絆イベント

過去作の不満点をまるっと解消して、良いところはさらにパワーアップするという、理想的な進化を遂げた絆イベント。
私はルーンファクトリー4をこよなく愛しているんですが、イベントの発生が完全にランダムなこと、キャラの掘り下げ系のイベントが異性主人公でしか見られないことに不満を感じていました。
ルーンファクトリー5では上記の不満点は改善されたものの、イベント自体が少なく物足りなさが残る結果に…。

とまあ、そんな紆余曲折を経ての今ですよ!
私が今まで感じていたモヤモヤがまるっと浄化される、理想的な絆イベントを龍の国は提供してくださいました。

なにより嬉しいのが、絆イベントの登場キャラの多さ!
基本的には主人公とキャラがメインで話は進みますが、そこに色んなキャラが関わってくるんですよ。
本編も賑やかでしたが、絆イベントも賑やかという贅沢三昧。しかもこちらも当然のようにフルボイス。
ルーンファクトリーの魅力って、住人とがっつり交流できるところだと思っているので、本編以外でも色んなキャラが活躍している姿を見られて大大大満足です。
本編で描き切れなかった部分をフォローしつつ、キャラの掘り下げをするような内容になっていて、本編では見られなかった意外な一面も見られたりもします。
序盤はBLっぽさは皆無でじわじわ甘さのボルテージが上がっていく感じが、ニアホモ好きにはたまらん塩梅でした。

個人的に好きな絆イベントはツイランとマウロ。
ツイラン以外のキャラは絆イベントにストーリー進行制限が掛かっているんですが、ツイランはDLCキャラだからか制限がなく、なんとな~くサクサク進めていたら終盤のイベントで完全にやられました。
お布施のつもりで購入したDLCでしたが、買って本当に良かったと自分の財布のユルさに感謝。
クール可愛い男子が好きな方に向けて「絶対に買うべし!!!!!!!」とメガホン装備で叫びたいほど良かったです。

マウロに関しては完全にダークホースでした。
英語だけやたら発音よくしゃべるTravis Japan系男子のマウロ。
こういう陽気でコミカルなキャラは絶対に意外性で攻めてくるだろうなーと予想はしていました。
……分かってましたよ。ばっちり心の準備もしてました。しかしcv梶裕貴はあまりにも卑怯!!
オモシロ男子がふとした瞬間に見せる大人っぽさに、まんまコロリと落ちました。悔しc。

そして、絆イベントを進めて好感度を7まで上げると、主人公から告白することができます。
これはルーンファクトリーシリーズおなじみのシステムで、会話デッキの中に「好きです!」という選択肢が発生し、これを意中のキャラに発動することで、唐突に告白イベントが発生します。
今作では同性婚が可能なので、もちろん男主人公で男性キャラに告白することも可能!

私はまだ誰をスバルの初婚相手にするか決めかねていて、結婚イベントまでは進めていません。
ただ、告白イベントがどんなものか知りたくて、試しにそこらへんを歩いていたクラマに告白をしてみました。
突然に告白に困惑するクラマと、男らしく告白するスバルの対比にニヤニヤしつつイベントを進めてみたところ…。

クラマがスバルの頬っぺたにチューしました。

!?!?!?

!?!?!?!?!?!?!?

想定していた以上の甘酸っぺえイベントが発生してしまい、たまらずリロード。
試し打ち感覚で告白なんてするもんじゃないと、深く反省……。すまんクラマ。

兎にも角にも、告白イベントにもかなりの気合が入っていることが分かり、全キャラと結婚するモチベがグンッと上がりました。

豊富なやりこみ要素

まずダンジョン探索。
本作では魔法がない代わりに、神器と呼ばれるアイテムを使って魔法のような技を使用することになります。
この神器を駆使してマップ探索するのがメチャクチャ楽しかったです。
フィールドマップにはあちこちに穢れが発生しているので、それを浄化しながら宝箱を回収して、各地に置かれているお地蔵様やカエルも探して~と、やることが盛りだくさん。
ダンジョンマップも豊富で、マップ探索しているだけであっという間に時間が溶けていきます。

そして里の復興。
本作では、これまで主軸を担っていた農業を簡略化し、代わりに里山づくりという新たなシステムが導入されました。
建物などのオブジェクトを配置することで主人公のステータスも強化され、店を建てて店員を配置すれば、店で買い物もできるようになります。
使用頻度の高い店や畑は出来るだけワープポイントの近くにおいたり、自分好みに配置を調整できて、効率のいい配置を考えるのが楽しかったです。
復興を進めるごとに開拓できる場所やオブジェクトも増え、こちらもやりだすとあっという間に時間が溶けていきます。
農業が簡略化されたことに最初は寂しさを感じていましたが、俯瞰モードの農業が快適すぎるうえに農業以外のやりこみ要素がありすぎて、物足りなさを感じる暇もありませんでした。

全体的に遊びの要素が多く、丹精込めて作られたんだろうなぁという印象を受けました。

不満点

バグなどの致命的な欠陥はありませんが、次回作やアプデで改善してほしい点はちらほらありました。

イベント演出

頑張ってはいるものの、大手メーカーの作品に比べるとかなりチープな出来です。
動きが少なすぎてポラギノールのCMのようになっている場面もちらほら。
キャラのモデリングやイベントの内容自体は悪くないのに、演出が足を引っ張ってしまっているので勿体ないなぁと思ってしまいました。

ごちゃごちゃしすぎな戦闘面

戦闘システム自体は悪くないですが、かなり大味な仕上がりになっています。
本作ではどのモンスターにも弱点があり、神器の技で弱点属性を突くことで戦闘を有利に進めることができます。
が、この神器の技演出が派手過ぎて、混戦になると画面がもうごっちゃごちゃ。敵がどこにいるのかも分からなくなります。
カメラワークも時折荒ぶり、大きなモンスターとの戦闘では画面がモンスターの尻でいっぱいになったりもしました。

また、大技である絆の舞のキーレスポンスが悪く、ボタンを押してから発動するまでにかなりのラグがあります。
基本的に私が絆の舞を使用するのはピンチの時なので、「早く発動してええええ!!」と何度焦ったことか。
とはいえ、ルーンファクトリー5と比べると大分爽快感は増したので、今後の進化に期待したいです。

まとめ

日常と非日常どちらも楽しめるルーンファクトリーシリーズが大好きなので、新作を楽しくプレイできたことを心から嬉しく思います。
荒削りな部分もありますが、キャラゲー要素のあるRPGとしては100点満点。
合法的に同性婚が出来るゲームなんて中々ないので、迷っている方はとりあえず買っておきましょう。