雨格子の館

あらすじ

深い森の中、ガス欠と暴風雨に立ち往生した主人公『一柳和』。
車を乗り捨て豪雨の中、たどり着いたのは土砂崩れで外界から遮断された洋館。
そこに集められた8名の俳優達が1日に1人ずつ殺されていく。
温室に置かれた犯行予告に基づいた見立て殺人。
生き残った俳優達が疑心暗鬼に駆られる中、ただ1人、犯人の復讐に無関係な主人公。
タイムリミットは7日間、クローズドサークル、見立て殺人。
―――あなたは次の犯行を防ぐ事ができるか?
(公式サイトより引用)

作品情報

作品名 雨格子の館
公式サイト 公式HP
発売日 PS2:2007年3月8日
BEST:2008年3月6日
PSP:2009年9月17日
ジャンル 本格派推理アドベンチャー
対応機種 PS2/PSP ダウンロード版有り
キャスト
ボイス 無し
主人公情報 一柳和
大学生・気弱・ビビリ主人公
個別イベント 無し
個別エンディング 無し
作品の傾向 相棒関係 ミステリー
キャラ傾向 過保護な相棒(日織)

感想

嵐に遭い道に迷った主人公が、迷い込んだ館に閉じ込められ事件に巻き込まれる――。というクローズド・サークル系の推理アドベンチャーゲーム。殺人が起きてから謎解きをするのではなく、殺害予告から推理して犯行を未然に防ぐ、というのは斬新で面白かったです。残念ながら最初の被害者だけは助けることが出来ませんが、初見でプレイしてても「あ、こいつ死ぬな」と分かる位に、死亡フラグが立ちまくっているのでショックは少ないかと思われます。
登場人物はアクの強いタイプがそろっていますが、根は良い人ばかりで、犯行を阻止して助ける事が出来た時は嬉しく、この人を助けたい!と攻略のモチベもグッと上がります。ミステリー作品には割と珍しい怖がりでヘタレな主人公で、何かあるたびにビビりまくります。金田一やコナンのような鋼の精神の探偵キャラばかり見てきたので、個人的には新鮮で好きでしたが好みが別れそうなタイプです。
怖いものを見るのは嫌だけど、見ないかったら見ないで一層恐怖が増すから確認せずにはいられない、という主人公の心理はリアルで良かったと思います。ホラー映画を見てるときに、手で目を覆って見ないようにしつつも、指の間からチラッと見てしまうアレです。

どのキャラも主人公が犯行を未然に防ぐと、最初の疑心暗鬼な態度から徐々に好意的になっていきます。ただ、今作のワトソン役の日織だけは、最初の事件が起こった晩に一緒に過ごしていた為、互いにアリバイを証明できる唯一信頼できる存在として、主人公をサポートしてくれます。

主人公の和(なごむ)を「なごさん」と呼び、出会ってまだ間もないのに主人公を褒め称え甘やかす日織。それはもう、アリバイ云々関係なく初期好感度が高く設定されてるのでは…、と邪推してしまうレベルで。殺人が起こった上に味方が一人も居ない状態は辛いので、最初から好意的な人物がいるのは非常に心強く、さらにプレイヤーの心の癒しポジションにイケメンを配置してくれ製作者の方には心から感謝したいと思います。

基本的に主人公が屋敷内を捜索し、日織は情報収集のため部屋に篭っていますが、終盤でそれが主人公の為にとっていた行動であったと判明します。主人公を甘やかしていくスタイルを最後まで貫き通す日織。やはり初期好感度は相当高いようです。出会って間もない主人公に対してとにかく優しく、ヘタレな主人公にはピッタリな相棒役でした。

ちなみに今作では個別イベントはありませんが、被害者候補のキャラを守るため、同じ部屋で夜を明かすイベントが各キャラに用意されています。その際、椿君、暗石さん、那須さんなど、日織以外の男性キャラの以外な側面を見る事が出来、美麗なイベントCGも用意されています。総じてどのキャラもイケメンに描かれており、一夜を共にしたことで少し距離の縮まったやり取りが、殺人を回避したご褒美のようになっています。
主人公に甘いキャラが好きな方、一風変わった推理物を楽しみたい方にオススメです。

続編も出ていますが、2作目では探偵作品としてはやってはいけない事をやらかしているので、続編をプレイするときはそれなりの覚悟を持ってプレイしてください。