あらすじ
某国某所で騎士団長に告げられた魔王討伐の勅命。
どこかがおかしい、何かがおかしい奇妙な世界観で巻き起こる、魔王による魔王のための 魔王討伐の旅が始まる!
製品情報
作品名 | Knight Night |
公式サイト | 公式HP |
発売日 | 2009年6月1日 |
ジャンル | 育成シミュレーション |
対応機種 | Win |
キャスト | —— |
ボイス | 無し |
主人公情報 | アドニス(名前変更可) ボイス無し主人公 自由人主人公 |
個別イベント | 無し |
個別エンディング | 無し |
作品の傾向 | コメディRPG 男性キャラがヒロイン ネタ選択肢が豊富 |
キャラ傾向 | 魔王(キーファ) |
感想
私が初めてプレイしたフリゲであり、私の中のフリゲのイメージを覆した作品であり、年末廃人になりかけた全ての元凶でもある今作。システム周りやマップなどは昔懐かしのRPGですがシナリオは数え切れない程のパロディネタやネットスラングで溢れているという、まさに今昔入り乱れ状態。内容的にはギャグ7割シリアス3割といった塩梅ですが、序盤はギャグ100%で構成されています。ノリが合わない方には辛いかもしれませんが、頭を空っぽにしてアホな掛け合いを楽しみたい方にはオススメです。
このゲームを語る上で欠かせないのが魔王キーファです。魔王というとRPG的にはラスダンで待機してる倒すべき存在ですが、今作の魔王キーファは序盤も序盤で主人公の体内に取り込まれ無力化されるという、魔王とは何かを深く考えさせられるキャラです。そしてキーファと主人公はフュージョンしたままの状態で、王様に嫌がらせの手紙を送ってくるというとても雑魚臭漂う別の魔王を討伐する旅へと出かけます。
ちなみにキーファは主人公に取り憑いていますが、主人公の体を乗っ取ったり意識を操作するという事は一切出来ません。なので常に主人公と行動を共にして、魔王以上にフリーダムで変人な主人公に常識を説いたりガミガミと説教するキーファ。苦労人主人公という言葉は良く目にしますが苦労人魔王というのは新しい…。
ボケとツッコミのやりとりを繰り返しながら徐々に絆を深めていき、終盤で主人公が苦境に立たされた時はツンデレ台詞を吐きながらも身を呈して助けに行くキーファ。人間と魔族、勇者と魔王という全く相い容れなかった二人が、身分や種族を超えて友情を育む姿は、とても良きものでした。
ちなみにこの作品はリュカという薬売りの女の子がメインヒロインですが、私は何故か終盤までリュカを気弱でいじられキャラのショタっ子と勘違いしてプレイしていました。気づいたのは終盤もいいとこで、あるイベントで諦めムードのメンバーを叱咤激励するヒロイン的イベントでも「いじられキャラのくせにやるじゃん」とか上から目線で見てました。出来る事ならあの頃の自分をぶん殴りたい。
一応言い訳しますとリュカは世に言う「ボクっ娘」で一人称が「僕」なので紛らわしいっちゃ紛らわしいんですけど、本当に何故気付かなかったのか…。
私が終盤まで性別を勘違いしたままでも問題無い程、主人公とヒロインの恋愛要素はありませんので、ニアホモ萌えだけに集中したい方には優しい作りとなっています。そして登場人物が多いのに全てのキャラにしっかり個性があり、シナリオも伏線の散らし方から回収の仕方まで非常にスマートで、キャラとシナリオの作り込みは商業ゲームと比較しても遜色ない出来だと思います。
頭を空にしてユルい会話を楽しみたい方、ギャグと燃えが混在したシナリオを楽しみたい方、魔王をいじり倒して遊びたい方にオススメです。