ステラグロウ

あらすじ

かつて世界は歌の力により栄華を極めたが、戦乱の世に陥った。 嘆いた神により「歌」が奪われてから数千年後、失われたはずの歌の力を用いる5人の魔女が現れた。 呪いの歌で世界を結晶化するヒルダは、残りの魔女の抹殺も企んでいた。 世界の結晶化を止めるべく、レグナント王国騎士団はヒルダに立ち向かった。

製品情報

作品名 ステラグロウ
公式サイト 公式HP
発売日 2015年6月4日
ダウンロード版有り
ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 3DS
キャスト アルト( 阿部敦)
クラウス(鳥海浩輔)
ラスティ(間島淳司)
キース(岩澤俊樹)
ボイス 有り
主人公情報 アルト 記憶喪失/朴念仁主人公
個別イベント 有り
個別エンディング 有り
作品の傾向 王道展開 後味の良いストーリー 音楽がテーマ 相棒関係
キャラ傾向 ナンパな先輩(ラスティ)
頼れる隊長(クラウス)
いずれ世界を手中に収める男(キース)

感想

魔女と呼ばれる少女のみが歌を歌うことができる世界で、主人公アルトは魔女を調律する指揮者として目覚め、故郷を救うために戦いに身を投じる王道ファンタジーRPG。
主人公が記憶喪失だったり故郷が襲われたりと王道展開を突き進んでいますが、キャラを大事にする姿勢と最後まで王道を貫き通していた事に作品として好感が持てます。
キャラの扱いに関しては文句の付けようがないです。メインだけでなく脇キャラにも活躍の場が与えられ、本筋の中でどのキャラも見せ場があり不平等さは一切感じませんでした。色々な作品を見ていてキャラの優遇不遇に辟易する事も少なくないのでこの点はかなりポイント高いです。

戦闘システムはやや粗削りで、敵のターンの待ち時間が地味に長いのがストレスに感じました。
ユニットの性能面でもラスティとリゼットだけ強さが飛びぬけていたりと、戦闘バランスも良いとは言えません。
特にラスティは、他のキャラが6人で囲みながら少しづつ敵を減らしているのを尻目に、単騎でサクサクと敵を殲滅しており、「もうあいつ一人で良いんじゃないかな…?」という気持ちになりました。

個別イベントは戦闘メンバー男女共に用意されており、キャラも良い味を出していましたが、個人的に好きなのはラスティとキースのイベント。

ラスティはアルトの先輩というポジションではありますが、悪友兼相棒としてアルトに接します。
朴念仁なアルトに女遊びや酒の味を覚えさせようと画策したり、任務が終わる度にオネエちゃんと酒を飲みに出かける遊び人ラスティ…。特定の相手は居ないものの事あるごとに女の匂いを漂わすラスティにイマイチ萌えきれませんでしたが、個別イベントのラストで株が急上昇しました。
信頼していた育ての親に裏切られ刹那的に生き、そんな自分に真っ当な人生が送れるとは思っておらず、女遊びも後腐れの無い女性を選んで一時の癒しを得ているだけ。
密な人間関係を築くことを避けてきたラスティがアルトと出会い、いつの間にか兄弟のような関係になっている事に気づき、それなら義理の兄弟になれば良いじゃないという結論に至ります。
「酒を酌み交わすことで兄弟みてーなもんになれるらしい…」と、ファンタジーな世界で現代社会の893知識を語るラスティ。どこで兄弟盃の知識を仕入れたのか、という疑問はあるものの、この場面のラスティが不安そうな表情で戸惑いがち、に語っている姿が超絶可愛かったのでどうでも良くなりました。
エピローグは何故か温泉に入りながら盃を交わし「兄貴!」「弟!」と兄弟プレイに励む二人で〆。ねっとり感はなく爽やかさ全開の二人でしたが、ラスティみたいなキャラは懐に入れた人に対しては依存しそうだなあ…と、妄想を膨らませるのがとても楽しいコンビでした。

キースは自分の王国【キースキングダム】を建国することを目指している傭兵です。キングダムと聞いて某跡部様の顔が常にチラつきますが、キース自身もエンタメ性溢れるキャラクターです。
まずキースの初期装備の王の弓。名前だけ見ると完全に最強装備ですが、説明文をよくよく見ると「キースが夜なべして作った弓」と書いてあり(´;ω;`)ブワッ
俺様で横柄だけど契約はきちんと守り、どんな時でも客観的に物事を捉える冷静さも兼ね備えているキース。王国建設という途方も無い夢のために何十枚も設計図を書き、夢のために一途で真面目にアホな事をする、
個別イベントでキースの王国建設計画に振り回されながら、キースの内面に触れ少しづつ絆されていくアルト。一週目はラスティエンドだったので個別エンドはまだ見ていませんが、キースに振り回されつつも何だかんだアルトは付き合うんだろうなあ…。ぶつくさ文句言いながらキースに付き合うアルトの姿が容易に想像できる。変人×常識人カップリングが好きなので好み補正入りまくりですがギャップ萌え好きな方はキースキングダムへようこそ!!

私の独断と偏見で2キャラのみに焦点を当てた感想となってしまいましたが、他にも敵から味方へ…王道ライバル・ダンテ、物理に強く女に弱いアーチボルトなどなど魅力的なメンズが揃っています。ギャルゲー的な要素はありますが前述した通り主人公が朴念仁かつ女性陣が皆良い子なので、ほのかな恋心描写程度はあるものの全くドロドロしていません。
奇をてらった設定の作品が増えてく中で、王道を丁寧に描ききった素晴らしいゲームでした。