ファイアーエムブレム 風花雪月

あらすじ

士官学校の教師として担任する学級を選び、生徒たちを育て、導いていく第一部。
そして士官学校での日々から五年後、三国が相争う戦争を、三国それぞれの立場で描く第二部。

激動の時代を生きる若者たちの成長と共に、
フォドラ全土を巻き込む戦乱のきっかけから結末までを、二部構成の物語として描きます。

(公式HPより引用)

製品情報

作品名 ファイアーエムブレム 風花雪月
公式サイト 公式HP
発売日 2019年7月26日
ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 Switch
キャスト 主人公(小林裕介)
ディミトリ(石川界人)
クロード(豊永利行)
リンハルト(堀江瞬)
ボイス 有り
主人公情報 ベレト 教師主人公
個別イベント 有り
個別エンディング 有り
作品の傾向 学園が舞台 同性婚が可能 戦記物
キャラ傾向 陰のある王子(ディミトリ)
掴みどころのない青年(クロード)
面倒臭がりの天才(リンハルト)

感想

戦闘難易度・過去作とのつながりについて

ファイアーエムブレムシリーズの最新作ではありますが、ストーリーの繋がりなどは一切ないので過去作をやってなくても問題なくプレイ出来ます。
戦闘難易度は二種類あり、ノーマルでは自由にレベル上げが可能。
しっかりレベルを上げればそうそう詰まる事はなく、むしろ難易度的には優しい部類なので、生きるか死ぬかのギリギリのスリルを楽しみたい方には物足りないかもしれません。

キャラと支援会話について

ストーリーに関しては色々突っ込みどころもあり文句なしとは言い難いですが、キャラに関しては文句なし!軽い衝撃を受けるほど素晴らしい出来です。キャラそのものが良いというよりは、支援会話というキャライベントの出来が目茶苦茶良かったです。
仲間全員大好き!とかそういう訳ではなく、好きでも嫌いでもないキャラ、共感できないキャラはもちろん居ました。
ただ、何故そうなったのか?という理由やキッカケなどは、支援会話や本編を見れば分かりますし、どのキャラにも悩みや過去があって生きている、というのが支援会話などで補完されていくので、共感出来なくてもキャラには愛着が湧きました。
また同じクラス内の生徒同士は全員支援会話が用意されているので、本編で全く絡まないキャラ同士の支援会話を見るのが楽しかったです。仲間の人数が多いと、本筋に関わるキャラとそうでないキャラで出番に格差が出てしまいがちですが、支援会話はそこらへんを上手くフォローしてくれたなぁと思います。
明らかに相性悪そうな二人でもなんやかんや仲良くなってくれるので、先生目線で見守ってほっこりしてました。
ただ、キャラ愛が育ちすぎたが故に不満も生まれる事に…。詳細は後述の不満点にて。

ストーリーについて

ストーリーは序盤はゆったり、後半はやや駆け足気味と若干バランスが悪いかなと感じました。序盤はどのルートも基本的な流れは同じなので、序盤をサクッと後半をじっくり描いてくれた方が周回のモチベーション上がったと思います。
周回プレイしてると毎回同じ展開なので、少しダレてきちゃうんですよね…。
重要なイベントもあっさり描写されてたりするので、面白いんだけどもう一声!という印象。

どのルートも学生編と戦争編の二部構成となっており、戦争編は学生時代に一緒に過ごした仲間と戦う事になります。基本的にクラスが違うキャラ同士に絡みはありませんが、時にはライバルとして一緒に過ごした同期や生徒と戦うので、戦争編は気が重い事この上ないです。
戦争編での戦闘では敵対した生徒を倒すと、戦闘不能ではなく明確に死亡する描写が加わるので、より一層プレイヤーのメンタルは削られていきます。周回して一度クリアしたルートの生徒だとより辛い。
正義が悪を倒すという勧善懲悪な話ではなく、それぞれが自分の掲げる正義や理想のために戦ってるので、敵を倒してスッキリ解決!ではなく、ただただ悲しさだけが残ります。
主人公が担任になったクラスの生徒は幸せになって、世界も安定を取り戻しますが、それまでに出てしまった犠牲を考えてしまうと、どうしてもやりきれない気持ちになります。
世界観やキャラの良さもあり、かなりシナリオに没入出来ているので、描写に関しては物足りなさも感じますが、ストーリーは良質な部類だと思います。
正直、適当なサンドバック(悪役)を用意して頂いて、それを全員共闘して倒すルートなんてのが出たら、有料だろうとなんだろうと迷わず課金しますのでね。全員が生存可能な都合の良すぎる大団円待ってますんでね。前作で出来たんですから今作でもやっちゃって下さいよ。

不満点

周回プレイでの散策が面倒。
周回プレイ前提の作りをしているのに、引継ぎ要素がイマイチ。
と、細かく気になる点はありますが、最大の不満点は別にあります。
男主人公で級長と支援Sに出来ない!
もうこれが残念で残念で、ハンカチ噛みしめて地団駄踏みたくなります。

情報を補足しますと、級長というのは各クラスのリーダーで、そのルートの主人公とも言える生徒の事。
支援Sというのは支援会話のランクのようなものです。支援会話にはS〜Dまでの段階がありSがMAXランク。
支援Sまで上げられるのは主人公と仲間の組み合わせのみで、支援Sまで行くとエンディング後にペアエンドなるものが見れます。条件を満たしたキャラと終盤にイベントがあったり、エンドロールではその後の二人の様子がテキストで説明される、個別エンドのようなものです。
基本的に支援Sまであるのは異性キャラのみで、同性キャラは支援A止まりです。
ただ、一部同性婚ができるキャラが存在し、同性同士でも支援Sまで上げる事が出来る素敵なシステムが存在していたのですが…。

女主人公は級長全員とペアエンドを迎えることができるのに対し、男主人公とペアエンドがあるのは異性の級長一人のみ。これは悲しい。
男主人公で同性婚というか、支援Sまであってペアエンドを迎える事が出来るキャラは3人居ますが、その内の二人とは恋愛絡まないエンディングです。なら男主人公で男の級長とペアエンドがあってもいいじゃないですか…。
別にホモらせろとかウホっな展開なんて望んでません。そんなもんなくてもいつも勝手に妄想して勝手に楽しんでます。
それでも女性主人公で同性級長とのペアエンドはあって、男性主人公には無いってのは不公平だなーと感じてしまいました。
本編で一番濃く絡む級長に対しての思い入れが強いだけに、ペアエンドがないってのは本当に残念です。

まとめ

シナリオやキャラに関しては前述した通り、不満はあれどトータルでは満足しています。
今後DLCなどで不満点が解消されれば文句なしにオススメできる良作ですが、ちょっと厳しい気もします。
ブーブー言ってしまいましたが、本編ではがっつり萌えもあったので、ペアエンドが無くても大丈夫だあ!という方は是非ともプレイしてみてください!