龍が如く7 光と闇の行方

あらすじ

2001年1月1日。東城会の三次団体「荒川組」に所属する極道、春日一番は、組長・荒川真澄から、若頭・沢城丈の犯した罪を被るよう頼み込まれ、出頭を決意。
愛する組のため、尊敬する親父のため……春日は18年にも及ぶ厳しい刑務所生活を送り、2019年、ついに出所する。
だが、出所をした春日を出迎えてくれる者は、誰一人いなかった。
(公式HPより引用)

製品情報

作品名 龍が如く7 光と闇の行方
公式サイト 公式HP
発売日 2020年1月16日
ジャンル ドラマティックRPG
対応機種 PS4
キャスト 春日 一番(中谷一博)
ナンバ(安田顕)
足立 宏一(大塚明夫)
ハン・ジュンギ(中村悠一)
趙 天佑(岡本信彦)
ボイス 有り
主人公情報 春日一番 熱血・人情派主人公
個別イベント 有り
個別エンディング 無し
作品の傾向 年齢層の高いパーティー 成り上がり物語
前代未聞の仲間達 王道ストーリー 戦闘に難あり
キャラ傾向 相棒のホームレス(ナンバ)
元・刑事59歳(足立 宏一)
ヒットマン(ハン・ジュンギ)
マフィアの総帥(趙 天佑)

感想

序盤から引き込まれるストーリー

今作は龍が如くシリーズのナンバリングタイトルで、過去作との繋がりもありますが、主人公や仲間はすべて一新されているので、龍が如くシリーズ未プレイの方でも問題なくプレイ可能です。

龍が如く7のテーマが「成り上がり」なので、主人公の春日一番は序盤からどん底に叩き落されます。その落とし方も容赦がなく、主人公の大変ながらも充実した日々を丁寧に丁寧に描写し、主人公に程よく愛着を持たせた所で、崖からトンっと落とすような感じ。鬼か。
この絶望的な状態からどうなる!?どうするの、春日!という、先が気になって仕方ない序盤のストーリー展開。つかみはバッチリです。
序盤のストーリーの進みはゆっくりめで、長いと感じる方もいるかもしれませんが、その分キャラ描写は丁寧すぎるほどで、主人公の人となりをプレイヤーに伝えよう、という気概がひしひしと伝わってきました。

他作品では絶対に仲間にならない魅力的な仲間達

RPGの仲間といえば剣士や魔法使いが王道です。ただ、残念ながら龍が如く7は現代が舞台なので剣士も魔法使いも僧侶も居ません。
その代わり本作ではホームレス、定年間際で左遷された刑事、キャバ嬢、ヒットマン、マフィアの総帥が主人公の心強い仲間となります。
いやいや、とプレイ前の私も個性的すぎる仲間に動揺を隠せませんでした。戸惑う気持ちはよーく分かります、おかしいですよね、普通のRPGではありえないですよね。けれど不思議なもんで、ストーリーを追っていくと仲間になる流れも自然で、最終的には違和感なんて一切無くなっていました。
一緒に苦難を乗り越え、時には酒を飲みながら悩みを打ち明け、敵は心強い味方になり、という王道の展開を、年齢層高めな濃いメンバーが繰り広げていくのは逆に新鮮で、こんなRPG初めて!と感動すら覚えました。
特に今作の主人公は序盤がとにかく悲惨なので、仲間の存在のありがたみを濃く感じられました。
好感度を上げる事で発生する絆イベントも、本編では描き切れなかったキャラの掘り下げだけではなく、徐々に主人公にデレていく仲間達の変化も楽しめるという素晴らしいイベントでした。絶対にデレなさそうなヒットマンとマフィアの総帥もデレるよ!

魅力的な主人公

正直、このゲームをここまで楽しめたのは主人公・春日一番のお陰と言っても過言ではありません。もちろん人によって好みはあるので、万人に好かれるという事はあり得ませんが、私は大好きです。
熱血で単純で義理人情に厚く、感情が駄々洩れという昨今では珍しいタイプの主人公で、感情表現がはっきりしていている性格はとても好感が持てました。もちろん情けない姿を見せることもありますし、大人の割に子供みたいな所もあります。それでも変に自分を飾らず泥臭い姿を臆面なく晒し、体当たりで人とぶつかる姿に心を揺さぶられました。
声優さんの演技も本当に素晴らしかった…。

戦闘システムだけは残念

アクションゲームが苦手なので、戦闘システムがコマンド形式のRPGに変更となったのは嬉しかったです。ジャッジアイズでは共闘してても見る余裕すら無かった仲間の技も、じっくり舐めまわすように見れましたし。
が、今までのテイストも残そうとして、結局どっちの良さも活かせずに終わってしまったようにも感じました。
敵は動くのに味方は動かせないので、範囲攻撃の範囲外に敵が逃げてしまう、ってのはまあ許せます。ただ、戦闘フィールドが無い(広すぎる?)ので、こちらの攻撃でノックバックした敵がどんどん遠くに行くのに、攻撃を終えたキャラは元の位置に戻ってしまうため、戦闘が長引く程に敵味方の距離が広がるのは勘弁して欲しかったです。シャトルランの如く行って戻るを繰り返す味方を見つめる時間が長く、ここらへんが戦闘のテンポを悪くしているなと思いました。
あと後半のボスは攻撃力も防御力も桁違いなので、戦闘が長引きがちだったなーという印象。最強装備を揃えて意気揚々と挑んで、あっさり全滅したときは半泣きになりました。
転職システムもアイディアは素晴らしいんですけど、気軽に転職できないのであまり活かせずに終わってしまったのも残念でした。

まとめ

後半は愚痴多めになってしまいましたが、戦闘システムをもう少し頑張ってくれたら文句なしの神ゲーだったのに!という悔しさ故の心の叫びなのでご容赦ください。
長々とネタバレしない程度に語っていきましたが、ガチで久しぶりにゲームでボロッボロに泣きました。ゲームというより一本の熱量の高い映画を見たような感覚です。書き忘れてましたが、ナンバと主人公の友情もがっつりありますよ!
もし気になっている方は、是非ともネタバレを見ないでプレイしてもらいたいです。