漫画(現代)

cherry

イケメンオタクの先輩と双子の姉のフリして付き合うことになった主人公の話
基本的にドタバタコメディちっくに物語は進行していきます
視覚的には男女恋愛ものですが実際は男男恋愛もの
主人公は普通に女の子が好きな男の子でちょっとコンプレックス持ち
そんな主人公はオタクである事を隠そうともしない先輩に惹かれていきます

BL作品っぽいですが恋愛感情の有無は曖昧なのでニアホモ?
先輩に惹かれて戸惑い悶える主人公が非常に可愛いです

うちの魔王かみませんよ

とある家庭のペットとして暮らす魔王と、その飼い主である少年の物語。魔王がペット!?なにそれイヤラシイ…!と思い読んでみたら、健全なほのぼのコメディ漫画でした。
現実世界の犬猫と同じ感覚で、魔王や勇者がペットとして飼われている世界。街並みや住人は現代社会っぽいけど、ジョブチェンジ屋が商店街の一角にあったりと、ありふれた日常の中にRPG要素がぶち込まれています。

魔王・サタンを飼っている岸本家。両親兄妹の4人家族で、兄のユウヘイとサタンがメインでストーリーは進みます。サタンは魔王らしく怒ると第三形態になったりしますが、ペットらしく飼い主のユウヘイの鉄拳制裁で大人しくなります。散歩にも連れていくし、ボールを使った「取ってこい」も一応やってくれます。

サタンは喋らないですが、その分表情豊か。都合が悪くなった時のとぼけ顔が可愛い。そんな魔王の貫禄ゼロなサタンですが、ユウヘイが傷付いた時は魔王の最終形態に変化して怒り、放っておかれると拗ねます。やっぱり可愛い…。
ホモ臭さを楽しむというよりは、サタンとユウヘイの仲良しっぷりを眺めて「かわええのう…」と悦に浸って楽しんでます。クスッと笑える日常漫画で癒されたい方におススメです。

ぼくたちダイアリー

あまり仕事のない便利屋・文豪(ふみたけ)ことフミの元に、亡くなった姉の子供がやってきた。姉はシングルマザーで、フミが引き取らなければ施設に引き取られるという話を聞き、厳しい経済状況に迷いつつも引き取ることを決意する。
どことなく頼りないけど情に厚い主人公・フミ。賢くてしっかりものの兄・雄太。笑顔を絶やさない明るい弟・正太。フミの親友でカフェで働く龍。登場人物はみんな善人ばかりで、ハートフルなお話が多いので読んでて癒される漫画でした!

便利屋の依頼で、ご近所のちょっとした事件を解決していく主人公と兄弟達。メインはこの三人ですが、サブレギュラー的な感じで登場する主人公の親友の龍さん。彼が色々怪しくていい味出してました。
貧乏な便利屋のフミをさり気なくフォローする為か、試食という名目で週一ペースでタダ飯を食わせる龍さん。フミが凹んでるときは頭をポンポンしつつ慰めるのも忘れず、常連の女性客にあの手この手でアプローチされても華麗にスルー。逆に龍さんに構われまくるフミは敵認定され…。女性客が龍に好意を持ってる事を知ったフミが、「(龍は)彼女とか作んないのか?」と聞けば、目を逸らしつつ「…まあな」と一言。
いやいやいや。そこは「うるせぇ!」とかで軽く流せばいいのに、何故肯定しちゃってるんですか?意味深な三点リーダーも気になるし、フミが質問した時にちょっと焦ったように目を逸らして頬軽く染めてるのは何デレですか?怪しい、怪しすぎる…!!

お話自体は心温まるものばかりでしたが、龍さんの意味深な言動と過保護っぷりがニアホモ過ぎて、胸がソワソワドキドキしていました。原作は別の方なので希望薄ですが、作画の小鉄子さんはバリバリBLも描いてる方なので、スピンオフとかでフミと龍さんのラブが読めたら最高に嬉しいなあ…。バーズコミックスだし同じ出版社のルチルあたりとかで、しれっと出てもいいと思います。
激しい心揺さぶられるような物語はないですが、優しい世界観にぐっと浸れるので、疲れた時、ホッと癒されたい時に読むのにおススメの作品です。

十五少年漂流記

ジュール・ヴェルヌの名作、十五少年漂流記を現代風にアレンジした、手軽に読める十五少年漂流記。全二巻の中にアレコレ詰め込んだため、沢山居る登場人物全員が活躍しているとは言い難く、そもそも登場人物の相関図を把握しづらい内容となっています。基本的に主人公の安野とトラブルメーカーの殿谷がメインで話は進み、サバイバル状況の中で対立しつつも、力を合わせて閉塞状況を打破していきます。

とりあえず殿谷が典型的ツンデレというか、素直になれないガキ大将という感じで、とてもいい味を出していました。最初こそ真面目な安野に何かと突っかかりますが、段々と好きな子に構って欲しくてつい意地悪しちゃう小学生と同レベルに見えてきます。実際主人公と揉めて別行動を取る際、主人公の弟が「僕もつれてって!」と殿谷に頼み、殿谷もそれを快諾します。普段の殿谷ならありえない行動なので違和感バリバリでしたが、後に本人の口から「(主人公の)弟を連れて来れば、平謝りで言うこと聞くと思ったら来ねえし…」と本音がポロリ。

全体的に展開が早く、キャラ自体は個性に富んでいたので全員が活躍できるよう、3~4巻くらい掛けてじっくり読んでみたいと思う内容でした。が!男ツンデレが好きな私としては、殿谷というガキ大将系ツンデレキャラと出会えて大満足の内容でした。ツンデレ好きの方は是非!

101人目のアリス

定員100人のエリート音楽学校・モンドンヴィル学園を舞台にした、音楽と友情と成長がふんだんに詰まった物語。エリート揃いの学園に元気いっぱいの野生児主人公・アリスが入学する所から物語は始まります。

主人公のアリスは、良く言えば元気いっぱいで真っ直ぐで前向き。悪く言えばワガママで空気が読めないお子ちゃま。結構賛否両論分かれそうな性格ですが、作中でもアリスはコテンパンに叩かれていて、それでも挫けないメンタルの強さも持ち合わせた、長所と短所がハッキリしたキャラで個人的には好きなタイプの主人公です。

ヴァイオリンの才能はあるけど、個性的すぎる性格が災いし初っ端からトラブルメーカーとなるアリス。面倒見の良い上級生ヴィックと、心優しいルームメイトのテオ以外からは基本みそっかす扱いを受けることに…。そんなアリスですが、上記のヴィックとテオに促され宥められつつ課題をこなし、少しづつ演奏技術と共にメンタル面も成長していきます。

特に上級生のヴィックは、出会って間もないにも関わらずアリスの才能を買っていて、ワガママなアリスを上手いこと掌で転がしつつ成長を促していきます。アリスの方はというと、何かと構ってくる軽いノリのヴィックにギャーギャー文句を言いつつも、自分の才能を認めてくれるヴィックに対し徐々に心を開いていきます。そしてアリスが大分ヴィックに攻略されて懐きまくった頃、事件は起こります。題して…裏切りのヴィック!!軽いナンパキャラは裏切り枠の可能性大、という事はテイルズ作品で学んでた筈なのに!見事に騙されました。

いや、一応中盤くらいから怪しい言動がチラホラ見えて、伏線はガッツリ張られてたのである程度想像はしてましたよ…?けど、一度和解したと見せかけて、さらに裏切るという二段構えの裏切りは流石に予測不可!終始気さくな兄貴分だったヴィックが、裏切り後は冷酷な表情で塩対応してくる事に傷つくアリス。傷心のアリスは実家に帰りますが、友人たちが迎えに来たことで学園に戻ることに。

ここら辺はルームメイトのテオは勿論、超えるべき壁のマックス、典型的な嫌味ライバルだったリシャール、紅一点のクレア嬢、アリスの家族たちが大活躍で、魅力的なキャラが多い作品だと改めて実感しました。そんなこんなで色んな人に支えられながら、再びアリスはヴィックと向き合い今度こそしっかりと和解を果たします。

改めて書いてみるとヴィックはひどい奴だ。しかしながら物語の盛り上げ役として、ひいてはアリスの成長促進剤として、終盤あたりからはアリスの心を揺さぶる男ヒロインとして大いに活躍したヴィックが私は大好きです。ヴィックが絡むとアリスの可愛さと男前度が5割増しになるので、ヴィックが何かする度「アリス可哀想…」「いいぞもっとやれ(ゲス顔)」と、相反する感情が私の中に芽生えてました。

ラストの展開的に、将来的にヴィックはヴァイオリニストとして活躍するアリスの傍で、ずっとアリスを見守り続けるんでしょう。波乱万丈な物語ですが、最終的にハッピーエンドで本当に良かった…!読んでいてハラハラする事も多いですが、飽きずに楽しく読むことが出来て大満足でした。