英雄伝説 零の軌跡/碧の軌跡

あらすじ

ゼムリア大陸西部、クロスベル自治州──

かつて帝国と共和国の狭間で熾烈な領土争いが繰り広げられたこの地は、 現在では大陸有数の貿易・金融都市として発展を遂げ、繁栄を謳歌していた。
一方、帝国と共和国による圧力も目に見えぬ形で高まっており、 両大国の意向を受けた議員・役人たちが醜い政争と汚職を繰り広げる中、 裏社会ではマフィアや外国の犯罪組織が台頭し、抗争を始めようとしていた。
そんな中、市民の信頼を失ったクロスベル警察に4人の若者が集められた。
新米捜査官、ロイド・バニングス。
クロスベル市長の孫娘、エリィ・マクダエル。
若き《魔導杖》の使い手、ティオ・プラトー。
女たらしな元警備隊員、ランディ・オルランド。
およそ規格外な彼らは「特務支援課」という新部署に配属され、 厳しい現実に直面しながらも、力を合わせて立ち向かって行こうとする。
──これは《壁》を乗り越えようとする若者たちと、 大都市の光と闇に生きる人々の生き様を描いた物語である。(公式HPより)

製品情報

作品名

英雄伝説 零の軌跡/碧の軌跡

公式サイト 公式HP
発売日 【零の軌跡】
PSP:2010年9月30日
Vita:2012年10月18日
PS4:2020年4月23日
【碧の軌跡】
PSP:2011年9月29日
Vita:2014年6月12日
PS4: 2020年5月28日
ジャンル RPG
対応機種 PSP/PSVita/PS4
キャスト ロイド・バニングス(柿原徹也)
ランディ・オルランド(三木眞一郎)
アレックス・ダドリー(中井和哉)
ワジ・ヘミスフィア(皆川純子)
ボイス PSP版(一部ボイス有り)
Vita版(フルボイス)
主人公情報 ロイド・バニングス
新米警察官・天然タラシ 愛され主人公
個別イベント 有り
個別エンディング 無し
作品の傾向 相棒関係 警察官 成り上がりストーリー ストーリー重視 二部作
キャラ傾向 軟派で頼れる相棒(ランディ)
生真面目な先輩刑事(ダドリー)
不良チームのヘッド(ワジ

感想

零の軌跡

新米捜査官ロイドと仲間達との絆を描いたストーリーRPG.。英雄伝説シリーズは作品数が多く、今作は前シリーズ「空の軌跡」と世界観が繋がっており、前作キャラや前作絡みの話も出てきます。私はシリーズ初プレイですが、前作の内容を知らなくても十分楽しめました。が、やっぱり前作をプレイしていた方がより楽しめる内容ではありました。

選択肢や仲間キャラとの協力技の使用回数などで、終盤の決戦前のイベントが変化し、それが個別イベントのような感じに。このイベントがある男性キャラはランディのみですが、このランディのイベントが中々熱くて萌える素敵イベントだったので、物足りなさは感じませんでした。
ランディは主人公・ロイドや仲間達にとって兄貴分的な存在で、女好きで遊び人。基本的には軽いノリでパーティーのムードメーカーですが、ロイドが凹んでる時や苦しんでる時は年上らしく支えてくれ、そのギャップにグッとくるものがあります。

主人公のロイドは公式で男女問わずの天然タラシで鈍感と、ギャルゲ主人公のような設定持ちですが、臭いセリフを息吐くようなナチュラルさで言っちゃうところ以外は、生真面目で善良な好青年です。お調子者なランディと生真面目なロイドと、正反対な二人がお互いの足りない部分を補い合ってる感じで、中々良いコンビ関係を構築していました。

基本的にランディは飄々としていて、ロイドをからかって楽しんでる場面も多いですが、ロイドの真正面から吐かれる臭いセリフには勝てず、うっかり照れてしまいます。普段の会話ではランディがロイドを振り回してますが、いざという時はロイドが無自覚にランディをかき乱してて、お互い振り回され合ってるこの力関係が非常にgoodでした。

ゲームシナリオも、信用が底辺まで落ちた警察組織に所属している主人公メンバー達が、コツコツと町の人から信用を得ていく展開は、自然と主人公たちに共感しやすい内容でした。シナリオ的には第一部完といった感じですが、解決すべきところは全て解決していて、消化不良にならない綺麗なラストです。

全体的に丁寧に作られた、プレイしやすい作品となっているので、RPG慣れしていない方でも安心して遊べる良作です。

碧の軌跡

前作同様天然タラシ弟ブルジョワジーなロイドが主人公です。零の軌跡では男女問わずたらし込むという恐ろしいスキルを持っていたロイドですが、続編である今作ではそのスキルがより凶悪になっていました。女性陣は言わずもがな、飄々として掴みどころのないワジや、堅物なダドリーでさえも攻略するとは恐ろしいスキルです。

特にワジは、前作では期間限定の加入キャラだったのが、今作では支援課メンバーに仲間入りを果たし、結構イイトコで活躍します。ロイドに対して「愛しているといっても過言では無い」と発言したり、良い感じの匂わせ発言もぶち込んでくれています。
絆イベントはワジの過去が語られたり、神秘的でクールなワジがロイドの直球過ぎる気障な言葉に、笑いつつも喜ぶ姿が入れるので必見です。

堅物のダドリーさんも、ワジと比較すると加入時期は短いですが、最終ダンジョンでは自由に連れまわせるようになります。料理をさせた時のコメントが予想以上に可愛く、前作からの取っつき難い堅物な印象とのギャップに萌えました。
絆イベントは割りとあっさりしていますが、今まで素直にロイドの事を褒めようとしなかったダドリーさんが、初めてロイドの事を褒めてくれたという点では非常に感慨深いものがありました。相変わらずのツンデレっぷりですが、微笑ましい師弟関係が育まれているようで良かったです。
ただ装備武器が拳銃なのにも関わらず、最強技やロイドとの協力技で銃使わずでぶん殴ってるのには笑いました。ツンデレとしてもネタキャラとしても美味しいとこ取りし過ぎなダドリーさんでした。

ランディは事前情報でミレイユさんの顏グラ追加や、イベントが増加してそうな序盤の設定に正直不安しか有りませんでした。ところがどっこい、蓋を開けてみればランディとロイドの熱い友情のオンパレード。前作では謎の多かったランディの過去が明らかになり、それによってランディが暴走し、ロイドが激怒する流れは非常に熱いです。普段兄貴分として頼りっぱなしだったけど、「これからはもっと頼って欲しい、相棒だろ?」というロイドのセリフや、ランディの「子犬みたいな目をして懐かれても困るんだよ!」というやり取りは、音楽や演出効果もあり非常に胸打つ展開となっていました。
また、絆イベントでは今まで語られなかったランディのトラウマとなった出来事が語られ、このイベントでランディはようやく過去を過去として認められるようになり、初めて心から笑えたんじゃないのかなーと勝手に解釈して萌えました。

ただ、サブクエストや続編では、ランディとミレイユの恋愛描写がかなり濃く描かれているので、フラグ持ちキャラはちょっと…、という方にはオススメしづらいキャラでもあります。