Mr.マロウブルー

ブロマンスとは違いますが最近買った漫画が非常におもしろ漫画だったので、ちょっと脱線気味にはなりますが熱い思いの丈を書き連ねていきます。

引きこもりの主人公♂と女子高生の身体が入れ替わってしまう事から物語は始まります。所謂入れ替わりモノ少女漫画。
入れ替わりモノで有名なのは映画「君の名は。」ですが、今作では入れ替わった男女の交流ではなく、女子高生と入れ替わってしまった引きこもりニート男性の主人公「蒼井」と、女子高生のクラスメイトの男の子「水無月君」の交流がメインに描かれています。

人生に絶望し自殺しようとした蒼井は、目を覚ますと美少女女子高生と中身が入れ替わていることに気付きます。
そしてその場に居合わせた水無月君に事情を説明し、ニートで久しく外に出ていなくて突然の遠出にテンパる蒼井の事を心配し、蒼井の自宅まで付き添ってくれる水無月君。イケメンなのに性格まで良い完全無欠の水無月君。
そんな水無月君も人の顔を認識できないという悩みがあり、お面のような簡略化された喜怒哀楽の表情は認識できるものの、万が一にも名前を間違えたらいけないと、うかつに同級生の名前を呼ぶ事すら出来ず、人との深い付き合いを避けるような生活を送っています。ただ、何故か美少女女子高生と入れ替わった蒼井の顏だけは認識できる水無月君。
入れ替わる前の美少女女子高生の顏は認識出来なかったのに、蒼井と入れ替わった瞬間に顔が認識できるようになる水無月君。はい、ここ重要ポイントです。

自宅に戻っても蒼井の本体は消えていたりと、なんやかんやあってJKライフを送ることになった蒼井と、それを支える水無月君。年齢は蒼井の方が10個上なんですが、年上の蒼井が未知の現象に戸惑っている&ややコミュ障な性格なので、水無月君を頼りまくりの日々。年下の水無月君にも「面倒を見なければ」という感情が芽生え、はじめて自分から人に関わろうと思うようになります。
蒼井の方も唯一事情を知っている相手として、年下相手に情けない…と思いつつも水無月君の存在に救われていて、このお互いの唯一無二感がめっっっっっっちゃ良い!!
個人的に女性の体になったからといって早々にイケメンにときめいたりするのは、中身男の女性という設定を殺してる感じがしてあまり好みではないので、水無月君は蒼井を意識している風なのに、蒼井の方は水無月君を頼れる子という同性目線で見てる感じがたまらなく萌えます。徐々に徐々に芽生えさせていくのが粋なのです。蒼井が座る時も男性時代の癖が抜けず、スカートなのに足をがばっと開いて座っているのも、中身と外見のちぐはぐさが表現されている感じでとても良いです。

美少女の体と入れ替わっても浮かれる事もなく、相手のプライバシーを出来る限り守ろうとする蒼井の紳士的な対応も好ましいですし、絵柄も相まって全体的に綺麗で上品な雰囲気を感じます。現時点ではちょっと暗めな雰囲気が漂っていますが、二巻のあとがきで明るくなってきますよー!と作者さんがおっしゃっていたので、今後の展開を楽しみに更新を待ちたいと思います。